丸の内まで行っていつもの蕎麦を食べてから、ふと思いついて通り過ぎた大井町まで戻ることにした。

その思いつきは正解で、どこまで歩いても大井から抜け出せず、大井の住宅街の迷宮感を満喫した。品川区と大田区の区界付近を縫うように進むが、大田区側に大きく踏み込むことはなかった。新幹線の高架と堀割の底の横須賀の間を通り抜け第二京浜を渡ると荏原町駅の賑わい。駅前の踏切を渡り仲通りという道を進んでいくがそこそこ商店が並んでる気がしたのは捏造された記憶で、割と寂しい感じのまま大通りにぶつかる。向い側の見覚えのない路地を抜けていると、これまでそろそろじゃないかと予期していた戸越銀座にようやく入り込んだが、ほぼ末端であっという間に終わる。

あえて武蔵小山パルムには向かわず旧中原街道を五反田方面へ。起伏が細かい路地を上り下りするうち意外なことに不動前駅にたどり着いた。流れ的には山手線の内側に向かいそうだったが、そのまま北上して寺の多い静かな一角を抜けていった。やがて商店街に入りこんだので祐天寺駅に直結しているかと思ったが、実際はそれていた。高架線の手前で左折してたどり着いた駅は祐天寺でなく学芸大学だった。人が多い。

距離的にはここで散歩を終えてよかったが、ラジオのノルマを果たしたかった。もう一駅歩くことにした。最初は最短距離をねらって高架沿いに歩くが、遠回りにはなるが公園のところで高架から離れる。環七にぶつかり、信号を渡るともう都立大学駅はすぐそこだった。くたびれた。