夜までやまないと思っていたので、雨の日用のプランを実行する。まず上野でVOCA展。今年で30周年だそうだ。一番おもしろかったのは内田聖良という作家の「余白書店のバーチャルな本棚」。この作家さんは「余白書店」という、通常の古書の評価軸とは真逆で、書き込みやシミがあると価値があがるという本を回収、査定、販売する活動に携わっている。展示されているのはそこで収集した本をモニターに本棚の形に表示してQRコードで読み出すとそれぞれの詳細がたどれるというものだった。本の外に物語があるというコンセプトがおもしろい。
雨の日に動きやすい東京駅に移動することにした。ランチも移動してからとることにする。KITTEの地下で醤油味のラーメンだ。地下を通って東京ミッドタウン日比谷に移動する。3階で休憩しながら窓からみると雨はほとんど降ってなくてあれっと思った。予報ではこれからまだ降るようだが、よくわからない。1階にストリートピアノが置いてあって壮麗な音が響いてくる。明らかに演奏のレベルがいわゆるストリートピアノで聞くものと違っていた。1階までおりて確認すると、演奏したい人が何組か順番待ちをしている。聴衆にも席が用意してあった。演奏者はさまざま。小太りでメガネの男性、中年女性、ピアノ教師らしい女性と一緒に来ている中学生くらいの男女。演奏されてる曲はベートヴェンのピアノソナやショパンの即興曲で、立ったまま聞き入ってしまった。
結局雨は降らないままだった。自転車に乗るという選択肢もあったが、やはり河岸を変えて歩くことにした。千代田線に乗って代々木公園駅まで移動。そういえば東京メトロも10円値上げしていたようだ。
AirPodsをもってこなかったのは残念だ。まさか散歩ができるとは思ってなかったのだ。
富ヶ谷の商店街から奥渋を通って渋谷駅の方へ。インバウンドの人たちがとても多かった。見かけた人の半分近くがそうだった気がする。道玄坂から旧山手通り。坂をおりると行く手に大勢の人の姿があって、何事かと思うが目黒川で花見をする人たちのようだった。
東横線に沿って西に進む選択肢もあったが、目黒区役所からおおまかに目黒川の下流方向に進むことにした。いつも通る尾根道じゃなく、山手通りに近いより低地の道筋。やがて山手通りに合流する。またしても人が行列をつくっているのは花見帰りの人たちかと思ったが、ラーメン二郎の行列だった。
目黒川に沿って進む。桜は咲き誇っているが、中目黒周辺と違っていわゆる花見をしている人たちはほぼいない。五反田駅近くを通り過ぎ、あっという間に大崎のホームが近づいてきた。さすがに、距離が足りないので、もう少し延長。目黒川の先にあるのは京急の新馬場駅だ。山手通りに沿って居木橋を渡り、山手線と京浜東北線の高架を立て続けにくぐる。目黒川沿いの小道に入った。中目黒近くの雑踏が嘘のように静まりかえっていた。行く手にチューブみたいな新馬場駅の高架ホームが浮かび上がった。
新馬場駅の入口は目黒川の両岸にあるが左手の北側の入口から入りこんだ。
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