丸の内で塩雲呑麺をスープまで飲み干してしまい、軽い罪悪感とともに東船橋からのスタート。東西逆の西船橋は交通の要所だが東船橋は至ってローカルだ。
北口の駅前通りはあっという間に終わりさらにその向こうに分け入っていく。まだ畑が残り元は農家だったであろう家々の間を抜ける路地をあえて選んでいく。やがて右手には東葉高速鉄道の高架、そしてかまぼこ型の飯山満(はさま)駅が見えてきた。駅前にはコンビニ、スーパー、ドラッグストア、飲食店が集まったブロックがあるがそれ以外は住宅と未開発のエリアが広がるばかりだ。駅前を通り過ぎて芝山団地という団地の縁を歩いたらぐるっと駅近くに戻ってきてしまった。今度は駅前通りを北上して大通りに出る。もう夕闇が深くなって夜も近いのでロードサイドをそれる選択肢は脳裏に浮かばなかった。西に戻って船橋中心部に進むか東で馴染みの薄い方に進むか二択だったが後者を選ぶ。
霧雨が舞っている。新京成線の高根公団駅近くに出て駅前のAEONでトイレを借りた。ついでにアイスを買う。外に出たら雨足が強くなっていてカサを広げようとしたときに持っていたアイスがボロンと地面に落ちた。以前iPhoneを落下させて背面を叩き割ったときみたいに時間がとまって見えた。落下地点は雨に濡れた歩道の上だった。まだ全然食べてないのに悲しすぎた。3秒ルールを発動することにした。けっこう呆然としてたので10秒くらいたってしまったかもしれないが、3秒と言い張れば3秒だ。表面にとくに汚れがないことを確認して食べることにした。あとでおなかが痛くなったらこのせいなので安心だ。
右折してけっこう華やいだ商店街に入り込む。新京成線が漸近してくる。すぐに北習志野駅だ。東葉高速鉄道との接続駅ということもあり、賑やかだ。左手にアーケードの商店街が伸びていたのでそっちに引き寄せられた。店がなくなるところまで進んで右折。そのときは思ってなかったが、そのあとはずっとその道に沿って進むことになる。
津田沼方面に進んでいると思っていた。今日は歩いても歩いても距離が伸びないし時間もたたない。変化が少ないせいだろうか。でも雨はほぼあがった。
ドンキホーテの前を通り過ぎたときには津田沼にたどり着いたと思ったが市境をまたいだ記憶はなかった。あたりの地名はさっきからずっと習志野台とか、習志野とかだが、これらの地名は実は船橋市の地名なのだ。習志野というのはもともと明治期に軍の演習場につけられた名前で現在の区域では船橋市にあたる。現在の習志野市はそのあたり一帯を合併したのちの名前として起案されたもので、合併交渉は結果としてまとまらず、習志野市にはかろうじて東習志野という後付けの町名が残るだけということになっている。
というわけで津田沼に近づいたと思ったのは勘違いで、東にそれていたようだ。遅まきながら習志野市に入って、そろそろクロージングと思って地図を確認したら、そのまま直進すれば京成本線の実籾にたどり着くことがわかった。駅名はローカルな感じだが、商店街が発達して開けた町だ。そのまま京成本線で上野まで出てしまう。
1 / 0