東京都心よりさらに2,3度温度が高いさいたまへ。新都心のコクーンでコーヒー豆を買う。その場で焼いてもらうのに時間がかかるのでその間にランチというプラン。こしがあって野太い武蔵野うどんを食べたあと焼きあがったコーヒーを受け取る。濃厚な香りが広がる。唯一の失敗はおまけのコーヒーを事前に受け取ってしまったことだ。ランチを食べるために急いで飲みほさなくてはならなかった。あとで受け取るべきだった。
散歩開始。日傘はあるがなるべく日陰の道を選ぶ。並木の木陰に守られた参道から氷川神社そして隣接する大宮公園へ。ベンチでしばし休憩。AirPods Proの外音取り込みで風の音や鳥の囀りを聴いてると人工的に作られた効果音のように思えてくる。その先の埼玉護国神社には英霊に感謝を捧げようという看板が掲げてあったが、太平洋戦争であれだけ無駄死にさせておいて英霊も何もない気がする。
かばんがあいていてなかからコーヒー豆のビニール袋がとびだした。風に煽られて鳥みたい舞い上がっていった。暑さを忘れる瞬間だった。
西の鉄道博物館の方に向かうつもりが北に進んでしまった。盆栽町、植竹町と町名が植物系に移ろっていく。西に進むきっかけを探しつつ歩いていたが、ニューシャトルの加茂宮駅そしてその向こう側で入り込んだ商店街と、さらに北に進み続けた。その商店街の賑わいの理由は高崎線の宮原駅だった。駅前から遅まきながら西へ。
緑のベルトに行手を阻まれたと思ったら川だった。渡れる小さな橋を見つけて渡ると向こう岸は一瞬だけ上尾市にはいりこんで聖学院大学のキャンパスがあった。イベントがあったのか辻々に警備員が立っていた。若干道のつながりが悪いがどうにか抜けられて、農地や雑木林の一角を越えると大宮花の丘という公園があった。そこで現在地を確認して行手の最寄駅川越線の西大宮を目指すことにした。
日が沈んで気温はさがったが、かえって熱気が感じられる。湿度が上がっているせいだろう。
もともと天下り的に西大宮という駅がつくられた感じだったが、あたりの地名も西大宮になっていた。途中に西区役所ができていた。かなり消耗して西大宮にたどり着く。駅舎の上から遠くをみている人たちがいたが、その視線の先をみるとはるか遠くに小さな花火があがっていた。戸田のほうだったのかもしれない。
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