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2022-06-24 : 沼津駅 - 三島駅 (16.8 km)
Shinichi Sugiyama
Shinichi Sugiyama

伊豆半島の東側の付け根は熱海だが、伊豆の北端の山々を越えた先の西側の付け根には小さな平野が広がっていて、三島と沼津という二つの町が双子のように並んで位置してる。当初の計画では三島からスタートして沼津方面に向かうつもりだったが、途中見かけた函南の裏寂れた風景が気になって、チャンスがあればいけるように逆に沼津から三島に戻るコースをとることにした。

モバイルSuicaで乗り通してきてしまったが窓口精算が必要(カードのSuicaなら精算機が使える)。乗車駅にもよるはずだが、横浜なら現金じゃなくSuicaから差し引き可能だった。

沼津駅南口から海の方に向かう。駅前はけっこう壮麗な感じだ。アーケードの立派な商店街を進んでいく。蒸し暑いが風の強さで相殺され、汗が噴き出すようなことはなかった。

ランチにしようと思っていたがあまり選択肢がないまま通り過ぎてしまった。今から思えばそのまま進み続けた方がよかったのだが左折して御成橋で今日前半の水先案内人の役割を果たす狩野川を渡る。対岸はもうほとんど住宅地だ。まずは海沿いにあって風光明媚そうな沼津御用邸記念公園を目指していた。思ったよりずっと遠かったが小学校を迂回した向こう側にようやく緑地が見えてきた。その緑地の中でベンチに座り落ち着いて今後の戦略を練る。ここに向かっているときから行く手にまるっと膨らんだ伊豆の山々が見えていたがもうすぐそこに迫っていた。もともとは海沿いに南下してこの先の川縁から東に曲がるつもりだったが山をかすめる形になってしまい、せっかくはじめての沼津散歩なのに沼津らしさを味わえない。目指す方向とは異なるがいったん西に向かうことにする。

うっすら波の音が聞こえていたが、階段をのぼると突然海が見えた。エメラルドグリーンの駿河湾の海。今日は風が強くてかなりまだ水辺とは離れているのに波しぶきが飛んでくる。勇敢なサーファーたちが波乗りをしていた。それからしばらく海に近いところを歩く。牛臥山公園の中に入って今日一番近くから海を眺めた。通り抜けられそうにないので奥まで入りこまずに戻ってきた。牛臥山というのは園内にそびえる里山で、そういわれると牛がふせている形に見えないことはない。公園をでてその先も回り込んで海沿いへ向かうと砂が飛んできて顔が痛い。引く堤防の向こうが砂浜になっている。いけるところまでいって突き当たったのは狩野川の河口だった。今度は川沿いに進むことになる。民家が並んでいるためか川沿いは平屋の家くらいの高さの堤防で完全にガードされところどころ設けられている通路のドアも半分は閉められ、残りの半分は向こうに川縁の通路が見えるが漁業関係者以外は立入禁止だ。

狩野川にかけられた最初の橋港大橋を渡ると沼津漁港だ。かなり観光地化されていて、飲食主体の商業施設があった。ランチタイムを過ぎた平日のこんな時間でもみんなあいている。海鮮丼と迷ったが深海魚バーガーを選択。ぬまずくわずともおさらばだ(一度言ってみたかった)。チェーン以外に入れて満足だ。

沼津駅方面に戻る。廃線跡のように錆びたレールが並んでいる遊歩道に入りこむとレールがなくなってふつうの遊歩道になった。1974年に廃線になった沼津港線(蛇松線)という路線の跡らしい。駅前までは戻らず三島までまっすぐつながっている広い道路に入りこむ。歩行者専用のにぎわったアーケードを見つけて、店を探すならこっちだったと理解した。広い道路は実は東海道だった。最短経路ではあるのだがちょっと単調で、これならもっと駅に近づいてから別の道を選んだ方がよかったと軽く後悔した。結局は合流するのだが。

黄瀬川にかかる橋は架け替え工事中で自転車は押して渡ることになっているのですれ違えない。袂までバックさせることになって申し訳なかった。対岸は三島市だと思い込んでいたが、実は駿東郡清水町という小さな町が間にはさまっているのだった。存在すら知らなかった。静岡市と合併した旧清水市とまぎらわしすぎる。

いつの間にか三島市に入っていた。だんだんあたりに活気が出てくる。三島広小路という伊豆箱根鉄道の駅にぶつかってもう着いたような気になったが、あたりまえだが、そこからも一駅分あるのだった。電車に乗ってしまうのもおもしろかったかもしれない。

京都みたいな風情のある水辺の小道を進んでいく。そのまま駅に近づけるのかと思ったが、行く手には楽寿猿という大きな公園が立ち塞がっている。有料で出入口が限定されているので通り抜け不可能だ。駅前にこんな巨大な障害物がある街というのもなかなかめずらしい。迂回する。家並みは上品で瀟洒で沼津とは対照的だった。沼津と三島という二つの街の対比が興味深い。

三島駅到着。別に早く帰らなくてはいけない理由はないのだが、久しぶりに新幹線に乗りたくなった。確認したら19年ぶりでわれながら驚いた。18時54分発のこだまに乗る。自由席はそれなりに混雑していた。案外こまめに乗り降りしていて生活の便なのだな。こだまだから遅いということは新横浜には19時29分に到着した(途中で乗り換えれば5分早く着けたらしい)。久しぶりの新幹線は楽しかった。今日の冒険のなかで最大の要素といっても過言ではない。せっかく得られた1時間を使って、スタバに入ったり、軽く買い物をしたりする。

2022-06-24 : 沼津駅 - 三島駅 (16.8 km)