深夜作業の後なので早めに仕事を上がって散歩に繰り出す。横浜駅東口スタート。最初はみなとみらいの方に向かうつもりだったが、車内で見かけたベイスターズのユニフォームを着た人を見て帰りの混雑が脳裏に浮かび、なんとなく避ける気持ちが芽生えた。ちなみに、帰宅時の車内で遭遇する赤ら顔で大声でのファンとそれによる混雑のせいで、ベイスターズに対する個人的な好感度はどん底だ。
平沼橋と西横浜の間で相鉄と、並走するJRの線路をまたぎ天王町に近づく。そういえばコーヒーのフィルターが減ってきていたのでこの先の珈琲問屋で調達することにする。ますますみなとみらいから離れた。国道16号から路地に分け入って古くて落ち着いた住宅街を進んでいくと上り坂になって台地の縁へとあがる。ローカルな頂を目指したら何気ない街角がピークだった。
歩道橋の下の地面が渓谷のように深くなっていて細い道路が通っていた。なかなか見ごたえのある景観だ。引き続き高台の縁の道を進む。常盤公園という見覚えのない大きな公園があり、さらにその向こうには横浜国大の敷地があった。これだけ散歩をしているのになぜかこれまで横浜国大にたどり着けず具体的な場所もよくわからないままだった。それが全く予期もせず目の前にあらわれたのだ。
せっかくなので構内に入ってみることにした。夕暮れのキャンパスは人通りが少なくて落ち着きがある。たぶん学生じゃないと思うがガラスをミラーがわりにダンスの練習をしている若者たちが何組かいた。こういうところが母校だとよかった。
正門から外に出る。直結する陸橋を渡りぐるっと一周して大通りへ。なんと国道1号だった。どちらに進めばいいか目的を失ってうろうろ。三ツ沢公園が近いのだった。地図を確認したら入り組んだ道筋の向こうに反町駅があるようだった。夜の静かな住宅街を抜けると大通りに出た。その道を右手に進めば反町駅だったが、電車一本で帰れるJRの駅を目指すことにした。真ん中に蛇行した車道が走る見覚えのある道を進み、飲食店の並ぶ市街地をすり抜けると東神奈川駅前だ。駅前のスーパーで食料を買って電車に乗る。運良くベイスターズのユニフォームを着た人たちには遭遇しなかった。
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